テレビは好きな方だと思う
だが、受験生の身なので
見る番組は絞っている
一日30分以内、と
小学生のような制限もつけている
今、見ているのは
笑点、大河ドラマ、美の壺、日曜美術館
ソロ活女子のススメ、100分で名著
スペイン語講座、趣味の園芸
プロジェクトX
だが、勉強時間確保のために
美の壺と日曜美術館は録画をとりためて
合格してから見ることにしている
……問題は、合格点までの距離が
あまりに遠いので
晴れて合格し、いざ録画を見ようと思った時には
プレーヤーが壊れていないか、という
ことなのだが……
5日から、もう一つ
気になるドラマが始まってしまう
NHK 「老害の人」だ
原作は内館牧子
シニアを扱った三部作の最後
原作も読んだが、なかなか面白かった
あらすじをまとめると
主人公は、中小企業の元社長の80代
娘婿に地位を譲って引退したはずが
行くところがなく、週に何度か
止めたはずの勤め先に出勤し
昔話や自慢話、同じ話を何度も繰り返し
挙句のはてに、契約を一つダメにしてしまい
娘から、老害宣言、出禁にされる
だが、ここで一念発起
シニアが集まれるカフェ
「若鮎サロン」を作る
その後、すったもんだはいろいろとあり
コロナ禍にも巻き込まれ……という話である
私の読後感としては
小人閑居して不全をなす、だった
ひとくちに言われている、「老害」
孫自慢や、延々と続く自慢話
エンドレスの趣味のウンチク
私には、これは「人害」とでもいうべきもので
シニアだけには限らない気がした
シニアでも、やらない人はやらない
若くても、やる人はやる
年齢ではなく、人格によるのだと思う
たとえば、
若年層には「マウント」がよくあるそうだが
要は、自慢話+私は貴女よりも上だ、という
一種の場所取りまで含めているので
むしろ、単なる自慢よりも悪質に思える
ほかにも
私の職場の若い女性同僚に
ソロキャンプが趣味、という人がいるのだが
一番の困りものが
女性のソロキャンパーを見つけると
近寄ってきて、困ったことはないか、などと話しかけ
頼んでもいないのに、あれこれと教えたがり
聴いてもいない、身の上話や自慢話を始める
男性キャンパーだという
1人でできますから、とご退席願うと
親切でやっているのに、と怒り出す
こうした男性キャンパーは
中年が多いが、30代くらいでもいるという
その同僚は、そのせいで
管理人の常駐するキャンプ場以外には
絶対に行かない、不愉快な思いをするから、と
言っていた
ウンチク垂れ流し系は
シニアには限らないのだ
若い母親たちでも
子供自慢が激しい人は少なくはないと思う
親は親ばかでいい、と世間が目をつぶっている
それだけの話なのではないだろうか
いや、シニア層には特にそれが目立つ
頻度が多すぎるから
「老害」と言われるのだ、と
反論が聞こえそうだが
私はそれも、やることがないからではないかと
思っている
というのは
仕事を持って、忙しくしている人は
シニアになっても
ムダな自昔話や昔話をり返して
時間を浪費する人には
会ったことがないからだ
たとえば
テレビなどで良く出てくる人達を
例にとってみるが
年を重ねれば重ねるほど味が出てくると言われる
落語家の師匠方
笑点の大喜利の半分はシニア層だが
孫自慢をしているのを聞いたことすらない
それよりも、座布団獲得に必死そうだ
私の知り合いの、お坊さんもそうだ
年をとってからますます
ご近所にも、檀家さんにも
慕われるようになり
この方に悩み相談をしに来る人は
かなり多い
美輪明宏も、80歳を過ぎてから
テレビで人生相談番組をやっているが
この範疇に入りそうだ
いや、それはその人たちの
品性や人格が特別に立派だからで
その他大勢のシニアには当てはまらない、という
声も聞こえてきそうではある
なので
ここで、極めつけの例を挙げてみたい
良くも悪くも、シニアにならなければ
出世できないらしい、政治家のセンセイ方
その中でも、ドン
5億もの裏金議員でもある
あの方である
記者会見で、質問した記者を
バカヤローと罵倒したほどの
なかなかみごとな品性の持ち主ではあったが
あの記者会見では、自慢や、昔話は
一言もしなかったではないか
どうやら、三男に自分の地盤を継がせるのに
一生懸命で
それどころではないらしいが
つまり、そういうことだ
私個人としては
もうちょっと良い仕事をして
長生きしてくれればよいのに、と
いう気はしているが
それはさておき
目の前の仕事に忙しければ
昔を振り返る暇などないのだが
シニアになると、そこまで忙しくない
一種のヒマつぶしが、自慢と昔話
というだけだと思う
小人閑居して不善をなす、という
単なる趣味ではなく、人のために役立つこと
わずかでも、収入につながること
できれば、それが自分の趣味に繋がり
やっていて、楽しいと思えること
そういう楽しい未来をもち
過去のことなど、振り返るような
時間と体力の持て余しをなくす
それで、この種の「老害」は
発展的に解消していくと思う
作品中では、主人公は
「老害」呼ばわりされた高齢者を集めて
カフェを開設する
このような
「居場所」「生きる意味」
これが大切であること
かといって、仕事をしている時と違って
他人が「やること」を与えてくれるわけではない
自分の頭で考え、自分で決めて
自分で作っていくこと
これはもっと大切だと思う
小説にも、共感した
主演は伊東四朗
ドラマのCMでみたところ
まさに、はまり役だったのだが
実際の伊東四朗は、自分の分だけではなく
周りの人のセリフまですべて覚えて
リハーサルに臨み
他人のセリフでも、間違えると
「そこは違うのになぁ」という顔をしており
「老害」と正反対のキャラクターだったそうだ
なんとも皮肉なギャップも、面白い
試験前ではあるが
やはり、どうしても見たい
少し早起きして勉強時間を確保して
ノルマ達成のご褒美に見ようかと思っている