2024年4月24日水曜日

遺族年金廃止のショック!!

新聞を読むのは私の趣味の一つだが

今回ばかりは、腹立たしいのを通り越して

あきれ返った


遺族年金廃止のニュースである

正確には、「廃止」ではなく「見直し」なのだが

良くて減額か、段階的な廃止

悪ければ、年度を区切って即刻廃止に

するつもりだろうと思う


老齢年金の額を減額したり

社会保障費という名目で、事実上の増税をしたり

これも十分に「悪政」だと思うが

遺族年金に手を付けるのは、影響が全然違う

トンデモナイ話で

どこかに抗議に行きたいが

どこに行けばいいのかわからず

困っているところだ


そもそも、遺族年間

特に遺族厚生年金というのは

夫が払っていた厚生年金の料金を

夫が早死にした場合に

国が没収するのは、あまりにあざといので

妻に渡す、という性質のもの

……もちろん、年金の料金を支払うのは

  夫に限らない

  夫が専業主夫をして、妻が働いているというケースや

  共働きのケースもあるが

  数の多さで、ここでは「夫」と

  表記させていただく……

しかも、夫が生きていれば

老齢厚生年金として

貰えたはずの額の

三分の二に減額される、という

なかなかに厳しい年金だ


しかも、「併給禁止」という規定があり

妻が、自分でも働いて

20年以上、自分の厚生年金の料金を

払い続けてきても

貰える年金は、夫の代わりに遺族年金をもらうか

自分の厚生年金をもらうか

二つに一つ

つまり

1人分の年金料金は、完全に国に没収されるという

イジメのような構造になっている


……ちなみに、これは

  来月受験予定のファイナンシャルプランナー1級の

  出題範囲だ

  実際に、年金額の趣味レーション計算が出題されるので

  一部、割愛したところはあるが

  間違ったことは書いていないと思う……


この年金は、非常に大事だ

というのは、人が無くなるのは

高齢者ばかりとは限らない

働き盛りの夫が、まだ幼い子供を残して

亡くなった場合

残された妻子は、いきなり路頭に迷いかねない

乳幼児や、幼稚園児の母親には

そもそも、子供を養っていけるだけの

フルタイムの仕事は簡単には見つからない

小学校になっても、学童保育が不十分なら

後に、高校・大学に進学するだけの資金を作るのは

とても難しいことになる

遺族年金は、こうした時のために

一種の保険としての働きもしている


子供の手が離れたら

専業主婦等止めて、働けという

人もいるかもしれないが

「子供」はすべて健康に生まれてくるとは

限らない

先天性の障碍児もいる

障害のある子供を育てていて

働けなかった母親は

もし、夫が亡くなった場合には

生活の手段がなくなる

本気で遺族年金をなくしたりしたら

運よく進めば、生活保護

一歩間違えると、心中や餓死まで

進みかねない家庭もあることを

忘れてはいないだろうか


それに、これは大きな社会のひずみだったのだが

今の70代、80代の女性が

まだ若かったころには、女性の職場が無かった

今の若い方には想像もつかないだろうが

私が入社したころにも

まだ、男女雇用均等法がなく

女性は、女だというだけで男性の給料の8割

定年の年齢も男女別

女性は男性より30分早く出社して

男性の机を水拭き

十時と三時には、お茶出し

女はクリスマスケーキと言われ

24歳で一番売れる、つまり、嫁に行く

25でも、ギリギリ売れるが

それを過ぎれば、買い手がつかず

腐っていくのを待つだけ、と言われていた

結婚すれば、退職が当たり前

結婚後の女性が仕事を続けていれば

夫の稼ぎがよっぽど悪いのだろう、と

嘲笑の対象になった

退職後は、家事育児の専業主婦となるのが

当たり前だった


なので

この世代の女性たちが、厚生年金をもらえず

ずっと低額な国民年金しかもらえず

自分の年金だけでは生活できない

……年金には、国民年金と厚生年金という

  二種類がある

  国民年金は、全員がもらえるが、額が少ない

  いわば「土台」のような年金

  厚生年金は、サラリーマンや公務員がもらえる

  報酬比例の、いわば二階建ての年金

  現役時代の給料の額報酬にもよるが

  平均して、国民年金の

  倍くらいの額にはなる……

決して、この人達の自己責任などではなく

社会の大きな、ひずみが原因なのは

誰の目にも明らかだと思う


何が言いたいか、というと

この世代の女性の生活の

土台となっている年金は

夫の遺族年金だ、ということだ

そして、もっと深刻なのは

この世代の女性が入所している

高齢者施設の支払いは

夫の遺族年金で払われている、ということだ


遺族年金の支払いが無くなったら、どうなるか

当然、施設にはいられないが

1人暮らしが厳しいから、施設に入っているわけだ

こうなれば、否応なしに

子供世代と同居せざるを得ない

つまり、子供世代

現状では、女性の方に

介護の責任が

降ってくるわけだ


これは、もし私が今、現役の女子大生なら

「結婚なんかしない

 だって結婚したら、人生詰むじゃん」と思うだろう

働こうとしても、扶養の壁があり

少額のパートしかできない

保育所も学童も、

地域協力も夫の育休も不十分

賃金の男女格差は解消されず

共同親権で離婚はできず

子育て中に夫が死んだら

子供と一緒に路頭に迷いかねず

子供が無事に巣立ったころには

ヘタをすれば、自分の両親と

夫の両親、四人分の介護を

しなくてはいけなくなる


これでは、ますます少子化が進んでいきそうだ

私個人としては、シングルのうえに

子供ももう成長し、家庭を持っているので

遺族年金とはあまり縁はないが

それでもやはり、自分の未来を考えたときに

国が十分豊かになって

福祉を充実させてくれる方が

ずつと生きやすいに決まっている


遺族年金廃止反対の署名など

どこかでやっていないだろうか

遺児の奨学金を運営しているサイトなどを回って

あれこれ調べてみようと思う


それにしてもまあ

一体、誰が考え出したのかは知らないが

私より先が見えない、つまり、バカ、となると

そいつは、本物のバカタレに違いあるまい




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