やはり、言い出したかと思った
老齢年金の改悪案のうち
最悪のものが「支給年齢を遅くする」ことだ
これをやれば、間違いなく
日本経済がガタガタになるからだ
それでも、「自分は若者の見方だ」とでも
アピールしたかったのか
小泉新次郎クンが
支給開始を80歳にする、と
言い出し始めた
理由は、「人生100年時代だから」
「80歳まで、元気に働いている人がいるから」
その代表が、欽ちゃんなのだそうだが
噴飯物、とはこういうことを言うのだろう
言いたいことは、たくさんあるが
理由をざっとまとめると
① 日本の男性の平均寿命は81歳
これは、文字どうりだ
つまり
日本の男性は、20代から年金分を
差し引かれ続けて、なんと40年も
取られるだけ取られて、もらえるのはたったの1年
79歳までに死んでしまえば
びた一文、かえって来ない
これでは、取り立てられた分は
絶対に元がとれない
つまり、年金の「取られ損」「収め損」になるのは確実だ
取り立てるだけ取り立てて
たとえ生きていても
その100分の1も還元しない
死んでいれば、ゼロ
たとえギャンブルでも、もう少し確率はいい
確率だけの話をするなら
年金資金など払わずに
ラスベガスのカジノでルーレットにつぎ込む方が
ずっと有利、ということになる
これでは、年金資金ではなく
名前を変えた税金だ
少なくとも、支払い開始を80歳にするのなら
年金に加入するかどうかを
国民一人一人に選ばせる自由がなくてはおかしいと思う
そして
もし私が選べるなら
私は全額、保険会社のやっている
プライベートの年金保険に入金する
支払い開始年齢は65歳にしてもらう
80歳開始などという、割の悪い年金には
絶対にはいらないだろう
ちなみに、新次郎クンのお気に入りらしい
「欽ちゃん」とずっとコンビを組んでいた
「コント55号」のジロさんこと
坂上二郎サンは60代で脳梗塞を起こし
なくなったのは、76歳だった
「欽ちゃん」だけは、シニアのかがみとほめたたえて
「ジロさん」は年金のびた一文も払わずに
完全無視
そのうえ、もしご存命ならば
老後破産にまで、追い込んだだろうと思われる、となれば
コント55号を知っている世代の1人として
どうにも、ひっかかる以上の思いがある
② 高齢者の約20パーセントと
その子供世代、同じく約20パーセントが財政破綻を起こす
20パーセントというのは
80歳までに、認知症を発症する人の確率だ
いくら体が丈夫でも
認知症を発症しているシニアを
わざわざ雇って、給料を払うような
のんきな会社は、まずあるまい
認知症を発症した高齢者には
通常の生活費に加えて
ケアの代金もかかる
施設に入るなら、入居費用も、毎月の費用も掛かる
現在は、施設の費用は、ほとんど自分の年金
足りない分は貯金を崩す、という家計が多いが
年金の給付がなければ
完全に、自分の貯金を食いつぶしていかなくてはならない
現在、政府は、老後に必要な額は3000万といつているが
年金支給が遅くなる分、必要な貯金額は増える
だいたい、5000万から6000万になるだろう
これだけの貯金のできる人間が
今の日本に、何人いるというのだ
では、途中で貯金がなくなったらどうするか
生活保護、という手もなくはない
だが
生活保護の申請があれば
担当者は、まず子供の有無を調べてくる
子供がいるとなれば、その子供が資産を持っていようと
いなかろうと
その子供たちの学資に追われていようと
子供自身の奨学金を返している間であろうと
子供が、自分の老後の資金を貯めている最中であろうと
お構いなしに
子供と同居して、金を払ってもらえ
生活保護は認めない、と言ってくる
こうなると、地獄なのは親自身よりも
認知症の親を突然自宅に押し付けられた
子供世代の方だろう
施設に入れる費用がなければ、同居せざるを得ない
認知症で、徘徊の症状の出ている高齢者なら
家族は、ほとんど付きっ切りで見ていなくてはいけない
もし、夫婦が共働きなら
どちらかは、仕事を辞めざるを得ないだろう
それでは、子どもの世代が老後の支度ができない
つまり、上の代から下の代に
貧困の連鎖がつながっていくのだ
これを、「悪法」と言わずして何と言おう
③ 50代以上のほとんどが金を使わなくなり
日本経済がさらに冷え込む
現在の日本経済の問題点の一つに挙げられるのが
高齢者が金を使わない、ということだ
日本の個人消費のうち
50パーセント以上が、65歳以上の高齢者の消費だ
金融資産、つまり、貯金や株などの額も
60歳代がピークで、一人当たり約1800万
80歳代になっても、一人当たり約1500万を超えている
……ちなみに、これは総務省と内閣府が発表した
統計資料を引用した
初めて見たときは、私も目を疑ったが
情報は間違いなく、確実だ……
これは、退職金も含めての額ではあるが
高齢者は、これをあまり使おうとしない
欲しいものがないわけでも
旅行に行きたくないわけでもない
単純に、これから介護に
いくらかかるかわからないので
怖くて使えないのだ
これが、50代の家族が
70代の親の面倒を見なくては
いけない可能性まで出てくるとなると
高齢者だけではない
中高年と言われる世代から
貯蓄に励まなくては、暮らしていけない
私は、個人的に一番気の毒なのは
現在、50代の世代ではないかと思っている
氷河期で、就職には苦労させられ
今までの世代なら、子どもの教育費と
家のローンさえ終われば
あとは、大きな支出はなかったのに
今、50代の世代以降の人々は
年金が80歳からになったばっかりに
自分たちの親のための貯金までしなくてはならなくなるのだから
それにしても
新次郎クンのお父さんは
「自民党をぶっ壊す」がキャッチフレーズで
実際は、日本の中流層をぶっ壊してくれたが
息子の新次郎クンは
「日本をぶっ壊す」つもりなのかと言いたくなる
できれば、どこかよそで
やってくれないものだろうか
例えば
M78星雲あたりで