今日は仕事納め
有給休暇が半日分残っていたので
遠慮なく使わせてもらい
今年一年、よく働いた(?)自分に
ご褒美の、外食を楽しむことにした
私は原則的には自炊派で
外食は、好きではあるが、あまりしない
経済的な事情に加えて
野菜と植物性たんぱく質の分量が少なくなり
どうしても食事内容が、健康的ではなくなる、という
理由もあるのだが
まったくナシ、というのも、少し寂しいので
夕食は、サラダや煮物をたくさん食べることを条件に
月に一回だけ
ランチを外食することにしている
月に一度、一年に十二回しかない
貴重な機会なので
店は、厳選する
美味しいことは当然の前提として
価格は、コースで食べても三千円まで
当然ながら、アルコールは飲まない
店の個性が際立っていて
半年たった後でも
「あの店は、こうだった」と
15分くらい、話続けられる店、と決めている
しかも、これが
探せば結構、見つかるもので
今日、出かけて行ったのも、そうした店の一つだ
店名だけをいえば
上野 精養軒 である
言わずと知れた、日本の洋食の草分けであり
現在でも、名店として知られているのだが
この店は、名店過ぎて
上野の本店で食べると、軽く予算をオーバーしてくる
なので
私が行くのは、精養軒の分店、とでもいうべきところだ
実は、上野動物園の少し先に
東京都美術館、という、巨大な建物がある
ここは、この美術館のほかにも
合計で五個くらいの大ホールがあり
美術館とは別の、書道や工芸の展覧会をやっているという
巨大施設なのだが
その中に、レストランが三か所入っている
一か所は、地下
名前は「カフェ ミューズ」
自分で座席を見つけ、カウンターに行って料理を注文し
席にもって帰ってくるタイプの
カジュアルスタイルだ
ここは、精養軒なので味は折り紙付きだが
カフェというだけあって、価格はぐんと控えめで
カレーあたりなら、800円くらいから
美味しくいただくことができる
私は、たいてい美術館の帰り
ちょっとくたびれた
甘いものとコーヒーが欲しい、というときには
必ず、ここに立ち寄ることにしている
たいてい、美術展とコラボした特別デザートがあるので
美術展を二度楽しめるようなものだ
だが、今日は
一階のホールから、らせん階段を上った二回にある
高級レストランの方に出かけた
ここでは、かなりしっかりとした食事が楽しめる
その分、お値段は張る、といっても
ビーフステーキを注文しても、3000円ちょうどで収まるので
かなり、リーズナブルといえば、リーズナブルだ
だが
私がいつも頼むのは、「日替わりランチ」だ
これは、数量限定の上に、かなりおトクになっていて
スープとごはんがついて、お値段は千円ちょうどだ
……とはいえ、今後値上がりの可能性は高いだろう
千円札一枚だけをもって
突撃など、ゆめゆめなさらぬよう……
今日の日替わりランチは、デミグラソースのビーフカツレツ
とんかつではない
ビーフカツレツ、なのだ
これぞ、文明開化のころからの伝統の洋食ではないか
ホクホク喜んで、注文した
この店の素晴らしいところは
窓が広く、壁が二面
ほとんど、ガラス張りに近い状態になっているという
見事なまでの、見晴らしのよさだ
そして
ガラス張りになった片面の側には
カウンターのようなテーブルが長く続いており
「おひとりさま席」として確保されていることだ
冬枯れの木立と
歩く人もほとんどいない上野公園内を
ぼんやりと眺めているだけで
気持ちがゆったりと、リフレッシュされてくる
店内にかかるバロック風の静かな音楽のおかげで
ゆったり度がますますアップしてきたところで
料理の到着、となる
精養軒の料理は、なんとも独特だ
子供のころ、昭和の時代に食べたことのある
どこか、懐かしく、暖かい味がする
名店や、うまい店は、おそらく東京には
星の数ほどもあるのだろうが
この、独特の「あたたかみ」「ぬくもり」
もしこれが和食で、きんぴらごぼうあたりだったら
間違いなく「おふくろの味」というのだろうが
この店の料理は、どれも
母の作ってくれた料理とは、まったく違っているのに
「おふくろの味」と同じように、あたたかく、リラックスできる
静かな公園を見渡しながら
ゆったりと、ビーフカツのランチを楽しみ
あとは、冬休みの手始めとして
歩いて数分の、西洋美術館でやっている
モネの睡蓮の展覧会に行くことにした
睡蓮と水の大きな絵画に取り巻かれて
静かに瞑想したいと思ったのだが
これが、信じがたいほどの長蛇の列と
瞑想どころではない混雑ぶりだったのは
また、別の話で
機を改めて書こうと思う
東京都美術館内・レストラン ミューズ
とにかく、おすすめだ
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