先月くらいから
毎週水曜日の、夜8時半から
NHKのBSで、ドラマ「正直不動産」が
再放送されるようになった
一度2話ずつなので
見ごたえはあるものの
時間が無くなってしまうのが
少しばかり、困り者ではある
ストーリーそのものは、かなり面白い
業界の内幕もののような話なので
「老後資金でアパートを建てましょう」という
誘いの裏にある罠、の話題だったり
70歳を超えるシニアは
マンションを借りようと思っても
なかなか、貸してくれるところが見つからなかったり
という
リアル情報が満載で
「浪花金融道」から、えげつなさを抜いた感じ
原作のコミックも、なかなかの人気作だが
ドラマ化も、それに劣らず面白い、という
おすすめ作品ではあるのだが
私は、その中で一番印象的だった言葉がある
主人公が、まだ駆け出しで
なかなか、不動産営業の効果が出ないときに
ナンバーワンだった先輩に
「どうすれば売れるようになりますか」と聞く
……数年前に見た回なので
細かいところは、うろ覚えだ……
すると、聞かれた先輩は
まず、スーツの店に連れていき
しゃきっとした、高級スーツを買わせる
でも、滅茶苦茶に高いっすよ、と文句を言う主人公に
一言
「拡張自我、って言葉、知ってるか」と答える
いや、実をいうと、私もその言葉は知らなかった
なので、すぐにネットで調べたところ
すぐに見つかった
とても簡単に説明すると
本来、「自我」というのは、人の心の中の存在だが
その「自我」の中に
自分の外側のものも取り入れる
つまり、「自我」を外側に拡張するから
「拡張自我」なのだそうだ
とても簡単に言いかえると
着ている服や、アクセサリー、職業
家、車、家族、ペット、資格や学歴、友人まで
自分の一部のように考えること
よく、子供が
「うちのお兄ちゃんは、野球部のエースなのよ」と言ったり
もう少し大きくなると、ブランド物を持ちたがったり
それによって
自分も優秀であるように思えてくる
一種の、自己暗示のようなものらしい
これはいいな、と思った
自分を優秀だ、と自己暗示をかけて
本当に優秀になれるなら
それに越したことはないではないか
で、考えた
私は、どうなりたいのだろうか
どう、自己暗示をかけようか
役職定年になっており、もうこの先
仕事の内容も決まったようなものなので
「デキる社員」の自己暗示は、かけてもむだだ
「料理上手」の自己暗示は
食べた時点で、崩れる
やめた方がいいだろう
では
難関試験を次々と突破する
シャープな頭脳の持ち主、というのはどうだろう
そこまで考えて、これだ、と思った
プロの使うような、高級文房具、と思って
万年筆の値段を調べた
どうせなら、気を大きく持って
「モンブラン」で検索したところ
8万6千900円から、と出ていた
「から」なのだ、大切なことなので二度書くが、「から」なのだ
文房具は、あっさりあきらめた
ノートは、というと
私は、ルーズリーフ派なのだ
しかも、100均で買ったファイルが
一番のお気に入りだった李する
では、視点を少し変えて
勉強のスケジュールを書き込む
手帳はどうだろう、と考えた
これが、大当たりだった
手帳類は、どんなに高くても3000円もしない
しかも、カレンダータイプ
カレンダーに、日記も付いているタイプ
イラストの月のタイプ、など
目移りしてしまって、選べないほどに
多種多様なものが出ている
自分の「拡張自我」になれそうな
そこそこに、高級で、お気に入り物を選ぶのが
毎年の、この時期の楽しい習慣になった
今年も、さっそく買ってきて
来年の、一番の目標
スペイン語の検定試験
「DELE A2」の試験日を書き込んだ
それだけで
なんだか、ゴルゴ13にでもなったような
「狙った獲物は、確実に仕留めるぞ」という
気分になってきたのだから
私が単細胞なのか
拡張自我が強力なのか
ともあれ、来年も
やる気満々で、希望をもって迎えられるのだから
良いとしよう
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