いよいよ年末が近くなると
あれこれと、買い物が増えてくる
おせちと、雑煮の材料などの食料品
特に、田作り用の煮干しや
栗きんとん用の、栗の甘露煮
真空パックの鏡餅や
とにかく重くてたまらない切り餅などは
今から買っておいた方が、慌てなくていい
大掃除用の、掃除用具一式も
洗剤や、窓磨き用のクリーナーまで
買うとなると、とにかく重くて
一度にはとても、買いきれない
だが
私が毎年、この時期に
必ず買い込んでいる、一番大切なグッズは
「もしもノート」である
これは、早い話がエンディングノートのひな型だ
B5の大きさの、薄い、赤いノートだ
これは、普通の文房具店にはおいていない
取り扱っているのは、なんと
百円均一の、ダイソーだ
ノート売り場の隅の方の
あまり目立たないところに置いてあることが多い
だが、その中身はかなりの優れものだ
ノートには、あらかじめ質問が印刷されており
そこに、書き込んでいくようになっている
表紙をめくるとすぐに
自分の名前、家族の名前、メアド、電話番号
そして、一番「やるな」と思ったのが
「本籍地」を書く欄があることだ
本籍地がなぜ必要なのか、と聞かれそうだが
これは、エンディングノートなのだ
つまり、私に万一のことがあった時に
私の相続人が、このノートを見れば
不自由なく、相続手続きができるようになっているわけだ
本籍地は、相続の時に必要になってくる
相続税の納付の添付書類として
本籍地で、戸籍謄本を出してもらわなくてはいけないが
よほど、親と仲の良い子供でなくては
住所は知っていても、本籍地までは知らないのが普通だ
すぐわかるように、書いておいてあげれば
相続の時に、バタバタしないで済むだろう
お気に入りのレストランや
好きな音楽などを書く、のんきなページも
ないわけではないが
重要なのは、ライフラインと
銀行口座、クレジットカード、電子マネーや
健康保険証、年金番号などを書きこむページだ
親の相続の際に、口座がいくつあるのか
保険は何に入っているのかが全く分からず
右往左往した、という話はよく聞く
かといって、元気なときから
自分の持ち金の話をするのも
なんとなく、生臭い気がする
本音を言えば
自分の介護用の資金に、と思って
ためておいた貯金でも
息子にしてみれば、
「かかるかどうかわからない認知症の
介護資金をためておくよりは
今、現実に必要な
孫の教育費を援助してくれればいいのに」と
不快に思うだろう、というくらいの
想像力は、持ち合わせているつもりだ
私の介護資金が必要なくなり
貯金が余ったら、息子一家が使えるように
それには、ノートにまとめて
私の死後、息子の手元にわたるようにするのが
一番良い方法だと思う
とはいえ
私個人が、あれが必要だろう
この情報も必要だろう、と
いくら考えたとしても
やはり、素人のすることだ
どこかに、漏れや、抜けが出てくるだろう
だが
このように、
ある程度、プロの手が入っていると思われる
ひな型があれば、この点もかなり安心だ
ノートの最後の方には
葬儀のやり方の希望や、墓について書くページもある
治療方針や、回復が望めないときの
延命措置をどうするかを、書くページもある
お互いに言いにくいこと、聞きにくいことが
文字になって、すっきりと書かれていれば
これに越したことはない
私は、毎年年末には
ダイソーにこのノートを探しに行き
正月、元旦の、少し暇な一日の
こと初めの行事として
このノートを書くことにしている
毎年、少しずつ内容が変わってくるので
新しい年の、アップデートのつもりでもある
そして、毎年、最初のごみの日に
去年のノートを捨てることにしている
個人情報が、たっぷりと書いてあるので
はさみで丁寧に切り
「去年一年、無事に生きられました
ありがとうございます
今年も、お守りください」と
祈りと願いを込める
私は、一人暮らしなので
外出している際に、事故に巻き込まれることも
ないとは言えない
そんな時のことも考えて
このノートは、クリアファイルに入れて
人目に付きやすい
リビングのコーヒーテーブルの上に
常時、置いてある
……さすがに、来客のある時には
事前に引っ込めておくが……
エンディングノートは、シニアのたしなみ
特に、一人暮らしシニアには
必須の心得だと思う
この「もしもノート」は
かなりのおすすめだ
やる、やらないは別にして
お近くに、ダイソーのお店のある方は
ノートの中身だけでも
ちょっと覗いてみる価値はある、と思う
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