毎年、クリスマス直前の週末には
全日本フィギュアスケートの試合がある
毎年これを楽しみにしていた
浅田真央選手が、まだジュニアのころから
夕食を早めに済ませて
テレビの前に陣取って
三時間から四時間かかる試合を
のんびりとみていたものだった
真央ちゃんがトップスケーターだったころは
母も存命だった
真央ちゃんは、演技がうまくいくと
滑り終えた後に、ニコッと笑う
その笑顔が、本当に晴れやかで
見ているこちらまで、幸せになるような思いがした
当時の男子シングルは
高橋大輔と、織田信成がしのぎを削っていた
その後発として
まだ若いが、勢いのある羽生弓弦が
目覚ましい追い上げを見せていた
あれから、私の環境も随分と変わった
京都に住んで、塾の講師をしていたのが
今では転職をし、関東で暮らしている
両親のどちらも、喪主として見送り
息子も一人立ちし、結婚し、子供もいる
真央ちゃんは引退し
高橋は一度引退した後で
今度は、アイスダンスで競技復帰
その後、ひざが悪化して、再度引退
若手のエースだった羽生も、今はプロ入り
その次の世代を率いるといわれていた
宇野もすでに引退した
なので、まさか
この人を、全日本の現役選手として
画面で見られるとは思わなかった
織田信成
真央ちゃんと同時期にピークを迎えたスケーター
現在は、37歳
ちなみに
フィギュアスケーターの、選手としての寿命は
非常に短い
男子は、たいてい24歳くらいでピークに達し
26歳前後で、引退している
引退後の、ほぼ10年間
試合に出るような、ハードな練習はしていなかっただろう
体系も、筋肉量も、基礎体力も
すべて、ガタガタだったはずだ
それが、もう一度全部、鍛えなおして
試合に戻ってこようとは
どれだけの努力をしたのか、想像もつかない
プログラムもよかった
曲は、なんと「マツケンサンバ」歌入りだ
最初は、違った曲調の
重々しいサンバなのが、途中で曲が変わり
ついでに、衣装も変わる
今日の試合では、衣装トラブルがあり
少し、戸惑っていたようだった
この、小さなミスを連発するのも
織田信成サンらしてく、ほほえましかった
フィギュアスケートの曲は
優雅で、少し物悲しくて
いかにも「芸術性を高めました」と言いたげな曲が多い中で
「マツケンサンバ」の、底抜けの明るさと
これがぴったりな、織田信成サンの
スケートは、いかにもぴったりで
会場からは、自然な手拍子
演技終了後には、大喜びした観客の
拍手がなかなか鳴りやまなかった
演技そのものも、かなりハイレベルだった
ジャンプは四回転が、三回転とのコンビネーションで
組み込まれていたし
トリプルアクセルは、加点のつく出来栄えだった
くどいようだが、いったん引退した選手である
どれほど努力を重ねたことか
順位は5位のようだが
それ以上に、胸を打つ演技だった
ほぼノーミスで滑り終えた後
織田信成サン自身も
キスアンドクライで、ひたすら泣きじゃくっていた
テレビカメラのある前で
成人した男性が、泣きじゃくれるほど
無謀といってもいいほどのチャレンジだったのだろう
少し気恥ずかしいが
思わず、目頭が熱くなった
なんともいえぬ、勇気をもらった気がする
会ったこともない、織田信成サンだが
心底、カッコいい、と思った
私もあと少しだけ
織田信成サンにあやかって
スペイン語の練習をすることにしよう
DELE A2の試験に合格して
私も、泣きじゃくるほどの感激と
自分に対する祝福感を、味わってみたくなった
正式な順位は、明日のフリー演技を待って
今日の持ち点と合計して決められる
織田信成サン、応援している
明日もがんばれ!!
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