2024年12月28日土曜日

今年の年末はウクライナのオーケストラで

 いよいよ、今年も残り少なくなり

スーパーにお節料理の材料を買いに行くと

BGMで、単純化された

ベートーベンの第九が流れていたりするが


実は、今年はコンサートホールに

第九を聞きに行く予定だ

しかも、第九と同時に

ベートーベンの第五、「運命」も演奏してくれるという

豪華といえば、豪華なのだが

こんな堂々たる大曲を

二曲続けて聞いて、聞くだけでばてないだろうか

というのが

目下の心配事でもある








そもそも、私はコンサートホールに正装して

出かけるようなキャラではないのだが

今回ばかりは、少し話が別だ

というのも

演奏をするのが

ウクライナ国立歌劇場管弦楽団だからだ


ウクライナは、ご存じの通り

目下、戦時下だ

首都のキーウにも、日常的にミサイルが飛んでくる


それでも、ウクライナでは、コンサートも、バレエも

映画も上映されている

公園に集まって、ご近所同士でチェスをし

動物園も開かれている


決して浮足立たないこと

できる限りの日常生活を送ること

それが、市民の戦い方の一つであることを

皆が、了解している

バレエや、音楽も

人々の心を支え、励ます大切なもの

人間らしくあるための武器のひとつ、と

考えられている


もちろん、楽団員ゃ、ダンサーには

戦場で、兵士が戦っているときに

こんなことをしていてよいのだろうかと

歯がゆく思う気持ちは、あるのだそうだ

それに、彼らにも

召集令状は送られてくる

そうした状況の中で

海外公演をすることは

「ウクライナを忘れないでほしい

 ウクライナで起きていることを、知ってほしい」

という、叫びにもにた行為なのだろう


というのも

ロシアの侵攻を受けて、約半年後

ウクライナのバレエ団が、来日公演を行った

「奇跡の公演」とも呼ばれているそうで

本当に、厳しい状況を乗り越えてのことだった

私も、その時

一番安い席ではあったが

チケットを取って、見に行った


その時に見た、「瀕死の白鳥」という演目が

今でも、忘れられない

この作品は、ごく短い、数分のもので

曲は、サンサーンスの「白鳥」

死を目前にした白鳥が

苦しみつつも、最後の力を振り絞って

大きく羽ばたき、まいあがる、ように見えたところで

くずおれ、死に飲み込まれていく、という

作品の解説だけすると

相当、悪趣としか思えないバレエだ

おまけに、難しいところは、何もない

派手なジャンプも、高速の回転も

技術を見せるところは何ひとつない

私は、それまで

「地味」、を通り越して「辛気臭い」作品だと思っていた


それが

ウクライナ国立バレエ団が、侵攻半年後に

踊って見せた「瀕死の白鳥」は

凛々しく、堂々としており、力強かった

古びた体が、自分の意志に反して

次第に重く、動きにくくなってきても

魂は、燦然と光り輝いていて

まるで、脱皮するように

古い体を脱ぎ捨てて

魂だけになって、より高みに上っていくという

今まで、一度も見たことのない、

「瀕死の白鳥」だった

会場中が、この踊りに呑まれてしまい

踊りが終わっても、10秒ほど

なんの物音もしなかった

そのあとで、誰かの

何かに迷っているような、頼りなげな拍手が

パン、パンと聞こえてから

いきなり、ドッと、会場が割れんばかりの

喝采が巻き起こった


感動した

感動などという言葉では

その半分も伝えられないほど、感動した


それ以来、ウクライナのバレエや

オーケストラが来たときは

資金の許す限りで

必ず、見に行っている


オーケストラの指揮者は、

ポケットチーフに、黄色と青

ウクライナの国旗の色を使っている


今回は、30日の、新弱での公演を

危機に行く予定だ

チケットは、A席とB席は売り切れているが

S席なら、まだ余裕があるとのこと












私は、第九よりも第五の方が好きで

特に、第三楽章と第四楽章の間に

休みがなく、そのまま続けてなだれ込んでいく

冒頭の部分

あそこは、どんなファンファーレよりも

格好いいと思っている

遠く離れた極東の、財力も政治力も何もない

一山百円のような一市民である私にできる

最大の応援として

全身を耳にして、聞いてきたいと思う


そして、その前に

とにかく、大掃除を何とか終えて

気持ちにゆとりを持たせたい

今日もこれから、あと30分

風呂掃除を、がんばるぞ!!



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