私の住んでいる関東地方では
いよいよ梅雨があけて
週末は、晴れ渡るけれど、かなり暑くなりそうだ
だが
今週末は、絶対に行きたいところが
二カ所ある
今日は、一カ所目について書きたいと思う
実は、物心ついた時から、平幹二朗のファンだ
幼稚園くらいだったと思うが
私が一番最初に覚えている大河ドラマが
「樅の木は残った」で、その主演が平幹二朗だった
ドラマそのものは、子供に理解できるような
内容ではなかったが
ただ一点、主人公の平幹二朗は
「本当はいい人なのに、悪い人だと誤解されている」
ことだけはよくわかった
みんな、仲良く鳴ればいいのに、と思っていたのに
最終回、実に無残に殺されてしまった
自分では全く覚えていないのだが
私は死んでしまった平幹二朗のために
数日間、手が付けられないほど泣き続けたそうだ
大河ドラマには、良く出ていた
だが、私がすっかり夢中になったのは
シェークスピア、特にあの有名な
「NINAGAWA マクベス」の舞台中継を見て以来だ
これは、つい数か月前に
大竹しのぶと、市村正親のコンビで再演していたので
見た方も多いかもしれない
セリフや筋立てには一切手を加えず、シェークスピアが書いたまま
それでいて、衣装や舞台美術、俳優の動きは
完全に日本の戦国時代に置き換えられている
「ダルシネインの森が動き出す」シーンでは
兵士がかざしていたのは、桜の枝だった
このタイトルロール、マクベス役を演じたのが
平幹二朗だった
私は、初演の当時は高校生で
感受性が一番鋭い時期でもあったせいか
演出家・蜷川幸雄と、俳優・平幹二朗のコンビを
半分、神格化、と言っていいくらいにあがめていた
少ない小遣いをためて、
二人の舞台はかなり良く見に行っていたと思う
ただ、当時の映像はほとんど残っていない
時折、NHKが演劇アーカイブスとして放送するくらいだ
だが、放送された分は全部ブルーレイに録画している
それでも、私が一番の傑作だと思い
大好きでもある作品
「王女メディア」だけは、どうしても手に入らずにいた
映像化はされている
だが、ビデオなのだ
DVDやブルーレイに置き換わってはいないし
この作品ばかりは、テレビの放送もほとんどない
あらすじを極端に短く言うと
夫が権力者の娘に乗り換え、捨てようとしていた妻が
夫の心を打ち砕く復習として
権力者とその娘、
更には、自分と夫の間の二人の子供まで
殺してしまう、というものなので
ひょっとしたら、
コンプライアンスに引っかかるのかもしれない
……書かれたのは、2千年も前、ギリシャ時代なのだが……
ちなみに、平幹二朗は女装?して演じているのだが
衣装がギリシャのズルズルなので
「女装」という感じはほとんどしない
もう一つ、オマケだが
女性の役だが、甲高い作り声なども使っていない
ごく普通の、オペラ的に良く響きはするが
まごうことなき、男性の声である
だが、この舞台を見ていると
そんなことは全く気にかからない
舞台の上にいるのは、間違いなく「王女メディア」だ
更に、事情が複雑で
平幹二朗は、この「王女メディア」を何度か再演しているが
途中の回から、演出家を変えている
こちらは、映像が残っているのだが
私は、余り気に入っていない
ちなみに、新演出と旧演出
二つ動画を並べてみると、こうなる
まず、新演出の方
次に、旧演出、蜷川幸雄版
これは、エンディングの夫婦の会話
子供を手にかけたメディアのセリフ
すごい熱量がこもっているのに、言葉が流れるように美しい
最後の、飛び去っていくときの笑い声が
泣き声に代わっていく部分の声のすさまじさと
これだけの作品には、この濃い演出の方が似合うと思う
蜷川幸雄版は、これだけしか動画が手に入らないのが
非常に残念だ、と思っていただけると思う
と、思っていたら
例の、立憲民主党の政治塾に入っている私の同僚が
土曜日には、立件民主党の党本部に行って
閉会式に出席する
枝野サンや泉サンと一緒に写真を撮ってもらうんだ、と
はしゃいでいた
何の気なしに、党本部はどこにあるのか、と聞いてみたら
永田町、国会図書館のすぐ脇、とのこと
突然、ひらめいた
国会図書館なら、あらゆる資料がそろっている
何と、少年ジャンプまで置いてあるのだそうだ
それなら、ひょっとしたら
「王女メディア」の蜷川幸雄版も
置いてあって、館内のビデオ機で
見られたりするのではないか
祈るような気持ちで、書庫のウェブページを検索したところ
あった
ありました
「王女メディア」が見られる
ということで
長くなったが、土曜日は遠征して
国会図書館に行き、ビデオ鑑賞をしてくることにした
国会図書館は永田町の駅のすぐそば、徒歩2分もかからない
図書館なので、利用料はタダ
クーラーは効いているし
通勤定期もきく
私の極上の夏休みになりそうだ
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