私の職場は、かなり働きやすい
特に、役職定年になってから
シニア仲間が、みな、ざっくばらんに
生活の悩みなどを相談しあうようになってから
ちょっとした、情報交換センターのようになっており
その点でも、非常に役に立ち
ありがたい限りだ
今日は、突然
「つかぬことを伺いますが」と声をかけられた
他のフロアーの、ほとんど接触のなかった部署で
働いていた人で
それもあり、あまり話し他ことのない人なので
ちょっと意外に思いながら
はい、私でお役にたてれば、と答えた
その人が、いかにも深刻そうに見えたからだ
これは、何かある、と直感的に思った
その人は、ちょっと言いにくそうに
しばらく、もごもごしていたが
「おひとり暮らしだと伺いましたが
万一の時のこととか、どう考えておられます?」
いきなり、核心に踏み込んできたな、と思った
だが、この人が思っているよりも
話はずっと単純だ
気を悪くしないでくださいね、と
おずおずと謝ってくれたのだが
謝ってもらうほどのことでもない
自分でも、そのリスクは十分にわかっている
なので、私の答えは
「もう、手は打ってあります
今は、その手のサービスは花盛りですよ」
本当に、この手のサービスは各種取り揃えてあり
いろいろな業界が参入している
1人暮らしシニアのすることは、財布と相談しながら
必要なサービスを選んで、契約するだけだ
たとえば
自宅から、一時間くらいの距離に子供が住んでいて
すぐに来られる状況ならば
「電話サービス」を選べばよい
これは、何か異常があれば
業者が子供に連絡してくれる、というサービスだ
一番有名なものは、
沸騰ポットと業者がつながっており
一日に一度も沸騰ポットを使わないと
「何か、異変がありましたよ」と
子供に連絡してくれるというサービス
これが、いわば「草分け」だったが
今では、宅配の弁当業者や、牛乳配達業者
それに
郵便局までやっている
郵便局のものは、特に格安で
一月、千円もしない
毎日、自動音声で電話がかかってきて
対応しないと、子供に連絡してくれる、というものだ
ほかにも、宅配業者なども
参入しているようだ
このタイプのサービスは、一番費用が安い
だが、私には向かない
というのも、私は関東に住んでいて
息子は、大阪でフルタイムの勤務をしている
来られるとすれば、週末だが
週末にも、出勤のことがある
私の希望は
何かがあった、異変が起きている、と分かった時には
ガードマンが駆けつけてくれる、というタイプのものだ
いわゆる「高齢者見守りサービス」
ということになるのだが
これは、ホームサービスの業者なら
どこでも、確実に扱っている
いわば「ドル箱」のようなサービスのようだが
早い話が、値段が高い
たいていのサービスが、
高齢者が、突然具合が悪くなった時に
業者に連絡する、非常用ボタンや
医療相談がくみこまれたサービスになっている
だが、私はまだ、自力で119番に電話するくらいの
余力はあると思う
見守りや、非常用ボタンは、あと20年くらい先でもよさそうだ
緊急呼び出しと、医療相談はなし
その分、値段は下げてほしい
丸一日、部屋の中を歩いていなかったら
どこかで倒れている可能性あり、と判断して
プロが様子を見に来てくれる
ぶっ倒れていたら、救急車まで呼んでくれる、という
サービスはないものか
費用は、月に3千円ていどで済ませたい、と思い
随分と探し回った
予算は少しオーバーしたが
ちょうどよい業者を、運よく見つけることができ
現在は、そこと契約している
年に約4万の出費だが
まあ、この程度なら妥協線だろう
少なくとも、これで
1人暮らしをしていても
孤独死の果てに、何週間も遺体が発見されない、という
あの、悲惨な状況を逃れられるなら
額としても、リーズナブルだろうと思う
なので
シニア向けのサービスというのは
案外、発達しているけれども
どうしても、「万が一の時」の関連になるので
あまり広告がしにくいらしく
かなり、積極的に情報を取りにいかないと
置いてきぼりにされやすいですよ、と話した
そしてついでに一言
シニアにとっては
ある程度の安心や、安全は、お金で買えるのですよ、と
身も蓋もないことを付け加えた