2024年6月6日木曜日

ウクライナのバレエがネットで無料で見られる件

 私はバレエが大好きだ

と言っても私が踊るわけではない

舞台のあちら側と、こちら側

私は客席に座って、拍手をする側だ


バレエ、と言っても

私が一番好きなのは、一時期大ブームになった

振り付け家、モーリス・ベジャールの作品なので

純粋なクラシックバレエというよりは

クラシックのテクニックを使った

モダンバレエ、とでもいうべきものなのだが


実を言うと、ベジャール話をし始めると

どうにも止まらないくらい

ドンドン話を続けてしまいそうなので

あえて、このくらいでやめておく

ベジャールの代表作は「ボレロ」というのが

定番だが

私個人は、三島由紀夫の生涯を題材にした

「M」という作品の方が好きだったりする

これがまた、実に凝っていて

制服を着た、縦の会もきちんと登場し

割腹自殺を遂げるところまで

きちんと、だが、実に美しく描き切っている

この作品は、世界初演時の映像が残っておる

ネットで無料でも見られるが

なんだか、海賊版じみているので

ちょっと、映像を貼るのは止めておこうと思う


だが、今日、職場の同僚に教えてもらった

この作品は、間違いなく

合法的に一般公開されている


ウクライナ国立バレエ団「雪の女王」全幕

実に画像のいい

無料にしてはもったいないだろう、と思うくらいの

映像である


この「雪の女王」は

アンデルセンの童話をバレエ化したもので

ウクライナ国立バレエ団のオリジナル作品

音楽は、ウインナ・ワルツや、幻想交響曲など

あちこちの有名で踊りやすい曲を選んで

つなげているもので

それだけに、チャイコフスキーが全幕作曲した

いわゆる「三大バレエ」よりも

知った曲が良く出てきて、親しみやすいだろうと思う


あらすじは、童話通りなので

実にわかりやすく

私のバレエ好きの同僚によると

ウクライナでは、大人も子供も一緒に楽しめる

いわば、「最初のバレエ」好適作品

なのだそうだ


なるほど、ストーリーも原作通り

雪の女王は、あくまでも冷たいが

それだけでは無い、女王らしい威厳と風格に満ちている

私は、見ていてちょっとエリザベス女王を思い出したほどだ

ゲルダは、実に愛らしい

少女少女していて、まだ子供っぽいのだが

善良で、けなげな役を、実に見事に踊りこなしていた

カイだけは、私は少しひっかかった

上手なのだ、上手で、優美で、品もあるのだが

むしろ、優雅で品がありすぎて

結婚を控えた王子様に近く

田舎町の、どこにでもいる男の子という

役柄に似合っていないように見えた

年齢的にも、少年ではなく、青年だった

……これは、ダンサーの実年齢ではない

  「ジゼル」などの作品ではよくあることなのだが

  10代のバレリーナが踊っていると、まず10代には見えないのに

  40歳くらいのバレリーナが、引退公演などで踊ると

  どう見ても20歳前、16歳くらいに見えることがある……


バレエ団は、まず動画の公開をしない

動画を見ると、それだけである程度満足してしまい

実際の舞台を、チケットを買って

見に来てくれる観客が減るからだ

特に、ネットで無料で動画を公開する、などという暴挙に出たのは

コロナが世界的に蔓延して

ステイホームが続き、世界中がイライラしていた李

あらゆる文化が忘れられかけた、あの数年だけだった


なので、私は同僚に

良く、バレエ団が公開を了承したものだ、と言ったところ

ウクライナのバレエ団は、踊ることだ戦いですから、と

答えを返された

思わず、うなった

確かに、ガザが起きて以来

ウクライナへの注目や関心は

相対的に減ったのは事実だろう

そして

世界各国からの注目や支援が無くては

ウクライナがロシ戦い続けていくことは

根なんだろう、というのもわかる


踊ることが、母国の文化を守ること

踊ることで、ウクライナはここにいます

忘れないでください、と

叫びを届けること

そのためのバレエ公演、そのための動画公開だ、というのが

同僚の説明だった


今日は、帰宅後パソコンの前に座り

全幕を拝見した

ゲルダ役の方の踊りが、全幕のどこをとっても

愛らしいやら、けなげやらで

すっかりファンになった

ファンレターなども出せるのか、と思い

バレエ団のホームページを探してみたところ

バレエ団の芸術監督は、京都出身の日本人で

戦争の影響で、練習用の必需品である、トウシューズが

買えなくなつた、バレリーナたちのために

「トウシューズ基金」という

寄付も受け付けているのを知った

一口千円から、ということだったので

バレエの動画配信があったときの、大体の相場価格

2000円分、振り込んでおいた

焼石の水、単なる偽善かもしれないが

しないよりは、はるかにましだろう

その程度のことだ


動画を下に貼っておく

バレエに興味のある方

「初めてのバレエ」を体験したい方には

特におすすめだ

動画の応援と、

あと、これは私から言うような筋ではないのだが

もし気に入ったら、トウシューズ基金のことも

少しだけ思い出していただけると

とてもうれしく思う








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