私の職場は60歳で役職定年
勤めようと思えば、65歳まで勤められるが
給料は30%カットになる
ひとくちで、30%というが
月額30万の給料の人なら
月額、9万円がカットになる
なので、よりよい勤め口をみつけて
再就職する人も、少なくはない
一番、注目を集め
誰からもウやラマしがられたのは
日本でも有数の劇場の常勤職員の職に就いた同僚だが
もう一人
これは、まだ周囲には内緒にしている、とのことだが
政治家への転職を目指して
政党の公募している「政治塾」に応募した、という
後輩がいる
政治塾の応募には
200字で「政治のここを変えたい」というタイトルの
課題作文があったそうで
作文審査も行われるとのこと
結果はメールで、先週の水曜日に発表、ときいていた
後輩の様子を横目で見ていたのだが
どうも、顔に出ないタイプなので
合否のほどがわからない
なので、今日、人目を避けてそっと聞いてみた
すると、同じく人目を避けるように
それでも力強く、親指をグッとたててきた
合格のようだ
本当におめでとう
その後、たまたま外回りが一緒になったので
……こんなことなら、人目を忍んで
やり取りなどしなくてもよかったのに、と
二人でしばらく笑いあっていたのだが……
細かい話を聞いてみた
毎週、オンラインで講義があり、レポート提出
全五回で、無料だそうだ
後輩は、私も応募すると思っていました、と言っていたが
あいにく、私は特定の支持政党はない
政策ごとに、是々非々、という感じだ
とはいえ
少なくとも今は、裏金政党と、坪議員には投票したくはない
そういうと、
では、一番実現してほしい政策ってなんですか、と聞かれた
裏金問題以外で、というので
私は、一番解決してほしいのは
介護離職をゼロ政策だ、と答えた
私個人のことを言うとしても
息子はまだ子供も幼く、学資がこれからかかるというのに
私の介護で職をやめる、などということになったら
申し訳ない、というよりほかにコトバがない
日本全体のことを考えるとしても
少子化を止めて、働き手を増やすにしても
少なくとも、10年単位の時間がかかる
それよりも、今の働き手を大事にして
誰もがきちんと給料を手に入れることができるようにする方が
先決なのではないかと思う
介護離職者をドンドン生み出している一方で
働き手がいない、人手不足だと言っても
それは、穴の空いたバケツに水を入れ
水がたまらない、と嘆いているのと同じように思えるのだ
それに、介護職がもつと給料が高くなれば
自然と人も集まるだろう
介護で体を起こしたり、車いすに載せたり、という
力を使う作業については
どんどんロボット化してくれれば
それこそ、60代の人材が
介護業界に入ってくれる可能性も生まれてくる
国は、こうしたロボットの開発に援助金を出す
そして、世界的にトップレベルの製品を作れるようになったら
自動車産業や、トランジスタラジオを「推し」たように
今度は「シニア向け製品」を国が推して
シニア向け製品は、日本が一番、という
評判を得られるようにすれば
新しい産業として、伸びていくのではないか
世界には、高齢者は少なくないのだから、というような話をした
後輩は、しばらく聞いてくれていたが
最後に
やっぱり組みましょう
レポート頑張って、いずれは議員を目指しますから
その時には、ブレーンに入ってください
ただ、その前にファイナンシャルプランナーは
受かっておいてくださいね
一緒にボクのチラシを配りましょう、と言われた
ううむ、ブレークの仕事がチラシ配り、というのも
私の話とは無関係に
ファイナンシャルプランナーの話が出てきたのにも
引っ掛かる点はなくはないが
2人の年齢を合わせれば、100歳をゆうに超える
ロマンスグレーの新人ペアが
ビラ配り、チラシまき、駅立ちで
町会議員から日本を変える、と、
ワチャワチャするのも
ちょっと、「釣りバカ日誌」の
政治家版のようで
楽しいかもしれない、
……私の世代の方はご存じかもしれない
西田敏行と、三国廉太郎のペアが大活躍する
人気のコメディ映画シリーズだ
映画では、二人は釣りに興じていたのだが
時代も変わった、小池都知事も70を過ぎて
立候補しているのだ
まだ60代の我々が
趣味だけを楽しんでいるのでは
少し枯れるのが早すぎるだろう
小池都知事も、70を超えていることだし……
という気になってきた
定年後には、本当に夢が広がるが
とりあえず、現実を優先して
ファイナンシャルプランナーの
勉強に戻ろうかと思っている
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