今日は、大急ぎで家に帰ってきた
夜の7時から9時の時間帯で
荷物が届く予定があるからだ
内容は、ふるさと納税の返礼品
「イノシシ肉スライス・500グラム」だ
ふるさと納税というのは
とても簡単に言うと、地方税を納める地域を
自分で選ぶというシステムだ
つまり
私がもし、東京都新宿区に住んでいるとして
地方税は、何も新宿区に収める必要はない
全国どこにでも、好きなところにおさめて構わない
これが「ふるさと納税」のシステムだ
なので、例えば、沖縄の美ら海水族館が好きだから
沖縄に収めても
スキーでお世話になっているから
北海道のニセコに収めても、それは私の自由なわけだ
とはいえ
地方自治体としては、自分たちの収入になるので
少しでも多く、自分のところに納税してほしい
なので
ふるさと納税をしてくれた人に
プレゼントとして、返礼品を用意する
これが、地方色豊かで、なかなか面白いうえに
普段、自分では買わないような
高級品や珍品が手に入るので
私は、毎年必ず、ギリギリの額まで
やることにしている
今年、トップバッターとして送られてきたのは
イノシシ肉のスライスだ
イノシシ肉は、正直、処理が悪いと
妙な臭みがあって、食べにくいことがあるが
信頼できる猟師さんが、丁寧に処理をしてくれれば
実に美味でもある
私が一番最初に食べたのは
京都の鞍馬寺近くの、イノシシ鍋
……正確には、ボタン鍋、というのだが……
正直、牛、豚、鶏のどれよりも美味だと思った
イノシシ肉は、この三種の中で
どれに近いかと言われれば、豚かもしれない
豚から、甘みと油っぽさを抜いて
牛肉のコクとうまみを、もっと野生化させて
濃縮したような感じ、というのが
一番近いように思える
スライス肉でも、十分に存在感がある
さっそく届いた、冷凍のイノシシ肉を
冷蔵庫に入れて、時間をかけて解凍し
まず、今日は肉の味がよくわかるように
あまり味付けをせず
醤油と、ブランデー、チューブショウガとチューブニンニクで
さっぱりと、生姜焼きにすることにした
豚肉よりも赤みの強い肉が
焼けていくと、なんとジビエらしい
いかにも、「肉を焼いています」という
強い香りが漂ってくる
これだけで、食欲中枢をひどく刺激してくる
色が変わったらすぐに裏返し
何とか火が通った、というくらいで引き上げ
カットの生野菜の上に
肉汁ごと、どん、と乗せる
肉汁が足りなかったら
少し、市販のドレッシングをかける
あとは、わしわしといただくだけだ
肉のうまみが強いので
生野菜パックの四分の三くらいは
ぺろりと平らげてしまう
スライス肉で、野菜を包み
海苔巻きのようにして食べても
さわやかで美味だが
「孤独のグルメ」で、五郎サンがよくやるように
肉をご飯の上に、敷き詰めるように並べて
残った肉汁を上からかけて
即席の、イノシシ丼にして
かきこむのも、また、楽しい
……イノシシ丼にするときには
上に、正月の餅のつけ焼きで余った海苔を
手で適当に違ってかけるのも
また、美味だし
わさびを少しばかりきかせるのも、ますます美味だ……
年に一度、ふるさと納税の返礼品でしか食べない
イノシシ肉を、十分に楽しんだが
これでもまだ、100グラムしか食べていない
まだ、400グラムも残っている
これは、明日はイノシシ鍋にして
温まりながら、舌鼓を打つことにしよう
単純と言われそうではあるが
毎日毎日が、楽しくてたまらない
多分、一生のうちで
今が一番幸せだ
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