2025年1月5日日曜日

見る?見ない?今年の大河ドラマ・「べらぼう」第一回の感想

 今日から、今年の大河ドラマが始まる

舞台は江戸中期

将軍は10代め、田沼意次の時代

なので、戦乱はほとんどない代わりに

江戸文化が花開いた時代

江戸のメディア王、蔦屋重三郎の物語、というので

実は、かなり期待していた


というのも、昨年の大河ドラマ

「光る君へ」が、実に面白かったからだ

平安時代の話なので、戦乱は

1回だけ、ちょっとはあったものの

それ以外は、まったくなかった

主人公は紫式部と、そのソウルメイトである

藤原道長

……恋人というには、もっと深く強い絆で

  しかも、相手が死んでからも

  絆が続いていく、という関係だったので

  ソウルメイト、という

  スピリチュアルな表現の仕方をしなくては

  ほかに、言いようがなかったのだろう……


今回も、戦乱のない「文系大河」

しかも、「大奥」の脚本を書いた

森下佳子サン、となると

期待は、ますます高まった


で、ワクワクしながら、第一回の放送を見て

その感想だが


正直、よくわからない

余りに、突拍子がなさ過ぎて

名作になるのか、先走りすぎる駄作になるのか

まったく見当がつかないのだ


まず、大河名物の「立派な人」が

誰も出てこない

むしろ、出てくるのは、わいろ政治家や

女郎屋を経営する人でなしおやじ達

登場する女性は、ほぼ全員がお女郎サン

のちに「鬼平」となる

長谷川平蔵まで、まだ若く、最低レベルのろくでなしだ


主人公はどうかというと

栄養失調で死んでいく女郎たちを守ろうと

老中に掛け合ってみたり

女郎屋経営陣の集まりに乗り込んで

演説をしてみたりと、なかなかの好青年ではあるのだが

正直、吉原のため、女郎衆のため、と言われても

仕事が仕事、場所が場所だけに

手放しに、ほめる気にはなれない


つまり、感情移入できる人物が

一人もいないのだ

たいがい、大河ドラマの第一回というのは

子役が出てきて、親を殺されたり

……「光る君へ」だけではない

  かなり前の作品だが、「龍馬伝」も

  第一回で母親が死んでいる……

理不尽を嘆いて、志を立てたり、と

主人公の運命に共感し、時には涙し

これから一年、この人を応援していこう、と

思わせるものだが

「べらぼう」では、それがなかった


ただ、題材の面白さはバツグンだ

だんだんさびれて、人が来なくなってきた吉原に

人を呼び込む戦術を考え

実行していく、というのが

今後のストーリーの流れになるようだが

こうしたストーリーは

古くは、「がんばれベアーズ」「メジャーリーグ」

テレビでは「王様のレストラン」

ドキュメンタリーでは「愛の貧乏脱出大作戦」

それに、「プロジェクトx」も、この系統だろう

つまり、王道中の王道ストーリーで

爽快感のある、人気パターンなのだ

しかも、これが江戸時代のメディア王で

写楽も、平賀源内も、安藤広重も出てくる、となると

やはり、興味は惹かれる


とはいえ

吉原が、どうしても気になる

主人公がどこまで成功しても

なんとなく、一緒に喜び切れない

見ていて、すっきり爽快にはならない気もするのだ


だが

脚本は、くどいようだが森下佳子サンである

この先、必ずや

思いもよらないどんでん返しのストーリー展開を

仕込んでいるに違いないと思う


なので

今の私の結論は

このドラマは、今までとは完全に違う

いわば、「生ハムとメロン」の取り合わせや

「チーズと乾燥イチジク」の取り合わせのようなもので

一口食べただけで

美味いのか、まずいのかは、判断できない

少なくとも、二つか三つは食べてみて

舌に味がなじんだところで

判断したほうがいい、だ。


少なくとも、二月いっぱいまでは

見続けてみようと思う

判断は、二月末まで保留、ということだ


ちなみに

着物や、街並み、小道具、セットなど

美術関係は、時代考証も正確で

実に美しい仕上がりだったので

まさに眼福

花魁道中などの考証も正確で

衣装も美麗

画像を楽しむだけでも、見る価値は十分にある

という点だけは

声を大にして

申し上げておこうと思う

下に、花魁道中の画像を貼っておいた

ご納得いただける美麗さだと思う






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