今日、職場での昼食後
昼休み終了前の談話タイムに
よその部署の、若い子から
あの、ちょっと変なことを伺いたいんですが、と
声をかけられた
何やら、言いにくそうにしていたので
まさか、マルチや宗教の勧誘か?
何を言われても、ツボは絶対に買わないぞ、と
少し警戒しつつ、何でしょう、と聞いてみたところ
「あの、オカルトに詳しいって聞いたんですが
本当ですか?」
これは、多分
趣味の一つがタロット占いで
マイカードも持っている
しかも、クリムトの絵をもとにした
金色の装飾のちりばめられた
一目見たら忘れられない
なんとも言えない世紀末なカードだったのが
妙な尾ひれがついて広まったようだ
とはいえ、私の世代は
確かに、オカルトがブームになり
ムーというオカルト専門誌が大流行り
たいていの人が、ノストラダムスの大予言におびえ
ユリゲラーと一緒にスプーン曲げにチャレンジし
アダムスキー型UFOを信じ
「世にも奇妙な物語」に震え上がった世代だ
確かに、今の令和生まれよりは
オカルト知識は多いだろう
なので、少しいたずら心もあって
お若い方々よりは、多少の心得はある
ただ、いつ、どこで、どうやって得た知識かは
どうぞお聞きにならないように、と
重々しく答えてみた
……周りの、私のことをよく知っている同僚は
笑いをこらえていたようだが……
だが、次の質問には
さすがの私も、顎が外れそうになった
「あの
除霊には
マツケンサンバが効くって、
本当ですか?」
そもそも、どうして除霊、などという言葉が
出てきたのかというところから
さかのぼって聞いてみると
大学時代の友人たちと一緒に
鍋パーティーをしていたら
話題が、なぜかホラーゲームから、怪談になり
たまたま、暖かい日が続いていたこともあり
みんなで、車でも出して
近くの心霊スポットに行ってみようと
いうことになった
ここまで聞けば、あとはわかる
行くはよいよい 帰りは怖い、という
通りゃんせの歌の通りだ
誰かが何かをくっつけてきた、という
定番のパターンの話になってきた
私のところに来たお二人は
特に、ご自分たちには何もなかったそうだが
とにかく、怖いので、除霊がしたい、とのこと
だが、ネットで見た除霊はかなり高価で
それに、足元を見られて
何度も何度も、まだ完全に除霊できていませんと言って
お金をむしり取られるような気がした、とのこと
……うむ、賢明だ
心霊スポットなどに出かけていかなければ
もっと賢明だっただろうに、という感想は
何とか、喉元で飲み込んだ……
まあ、若者というものは
浅はかなところもあるが
行動力があり
失敗はするが、痛い目を見て
少しずつ学んでいく、という
人生の途上のような段階だ
60過ぎのトシヨリが、ぐだぐたと説教をするのも野暮なので
心霊スポットというのは
少なくとも、誰かがつらい思いや
苦しい思いをした場所だから
それを、面白半分で観光されては
亡くなった方が怒るのも道理というもの
不謹慎だから、もうしない、と約束するなら
お教えしよう、と、もったいをつけて
私も除霊を専門にしているわけではないから
人から聞いた話ではあるが、と前置きし
……当たり前だ
もし私が専門の除霊師だったなら
今頃、会社で手製の弁当などを食べてはいない
どこかでお祓いでもやっていることだろう……
死者のエネルギーよりも
生きている人間のエネルギーの
生命力の方がずっと強い
なので、ある程度は弾き返せる
ただ、自分の力だけでは完全ではないと思えば
他からエネルギーを借りてくればいい
エネルギーに満ち溢れている、陽気で健康的なものなら
たいてい、なんでも効くが
音楽は、場所の浄化にとても効果があるといわれている
なので、明るく、元気で、生き生きした曲なら
なんでもよい
♪アイアイ アイアイ おさるさんだよ ♪
もおすすめだし
三波春夫をエンドレスで流すのも最強だし
ソーラン節や、スーダラ節、東村山音頭も効果的
ただ
その中でも、燦然と輝く
ナンバーワンの「陽キャ」を一曲選べと言われれば
間違いなく、「マツケンサンバ」だろう
そういう意味で、「マツケンサンバ」は
悪霊退散の効果がある、と答えた
二人は深く納得し
とりあえず、家に帰ったら
サザエさんと、ちびまるこちゃんの
カラオケを歌い
マツケンサンバをかける、と言っていた
あとから
良く、そんなことまで知っていましたね、と
言われたが
逆に、
ちょっと考えてみてほしい
「マツケンサンバ」が大音量でかかっている部屋に
出てこられるような霊など、いるだろうか
実のところ
マツケンサンバの最初の歌詞
「叩け ボンゴ」だが
サンバでは、ボンゴは使わない
それに、曲の中で使っている打楽器は
ボンゴではなく、コンガだ
歌詞にでてくる
「カルナバル」「セニョリータ」「アミーゴ」は
全部、サンバとは関係のない
スペイン語の単語だ
決めの「オレ」に至っては
フラメンコだし
そもそも、この曲はサンバ調ではない
ところが、こうした細かいことを全部
どうでもいい
これは、間違いなくサンバだ、と言わせる力が
この曲にはあると思う
ちなみに
私は、松平健サンの振り付けを解説した
動画を見つけ
必死でふりを覚えたので
ちょっと、気分が落ち込んだ時には
マツケンサンバをかけて、一緒に踊りながら
楽しく歌っている
三回くらい繰り返しているうちに
多少のモヤモヤは、どこかに飛んで行ってしまう
ひょっとしたら、昔の人は
こうした、モヤモヤや、ささくれだった気持ちを
「悪霊」と表現したのかもしれない
そうだとすれば、マツケンサンバには
強い除霊効果が認められる、というべきだ
ちなみに、下に貼ってあるのが
マツケンサンバの、振り付け解説動画だ
よろしければ、ご一緒にどうぞ
そして、この下に貼ってあるのが
珍品中の珍品
マツケンサンバの英語バージョン
字幕はついているものの
練習しないと、案外と難しい
ただ、宴会のかくし芸にはなるかもしれない
もし興味があったら
ぜひどうぞ
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