特に、ドラマは興味をひかれなくなった
まず、題材が面白くない
自分の息子よりも一まわり若い男女の
恋愛など、まったく興味も持てないし
殺人のでてくるドラマは
昔から、あまり好きではない
大河ドラマは、よほどのことがない限りは
毎年、楽しみに見ているが
朝ドラは、当たり外れがあるようで
今回は「はずれ」のようだ
だが、これだけはおすすめ、というか
かなりはまっていて
最終回後には、必ずロスになりそうなドラマが
一つだけ、ある
NHK・BSで日曜夜10時から放送している
「団地のふたり」だ
このドラマは1話完結
主人公は、キョンキョンこと小泉今日子と
小林聡美のダブル主演
この二人が、どう見ても
ごく平凡な、50代のシングル女性を演じている
二人は、同じ団地に住んでいて
保育園時代からの友達
一時期は、お互いに違った道を選んで
二人とも団地から出たものの
結婚や仕事がうまくいかなくて
元、住んでいた団地に戻ってきている
長い時を経て
お互いに、お互いの良いところも
悪いところも、一番よく知っている
決して、ベタベタはしないけれど
ほとんど毎日、一緒に夕食を食べたり
団地の太極拳サークルに一緒に出たり
「へこみかけた心を
ブープー膨らませている」間柄だ
この二人を取り巻く団地の住人達も
二人が子供のころからいる「おばちゃん達」や
新しく引っ越してきた
同性愛のフラワーデザイナーや
ヤンママ家族など
この、どこにでもいそうで
実際には、どこにもないような
暖かく、和やかで、つかず離れずの
団地の人間関係が描かれる
現代のおとぎ話
なのだと、思っていた
ところが
この団地が、老朽化して
建て替えの話が進み始めると
団地の「おばちゃん」たちは
一人減り、二人減り、
櫛の歯がぬけていくように、いなくなり始める
主人公の一人
小泉今日子の演じる「ノエチ」は
大学の非常勤講師だったのだが
今年以内で、仕事の打ち切りを宣告される
もう一人、売れないイラストレーターだった
小林聡美演じる「なっちゃん」は
団地を去って、親と一緒に静岡で暮らすことを決心する
それが、先週までのストーリーだ
「団地のふたり」が
団地にも住めなくなり
ふたりでもなくなっていく
のんびりとしていた、ドラマの前半が
まるで、
なくして初めてわかる、ささやかな幸せ、の
具体例のように思われてくる
どこか、穏やかで、のどかだった話が
現実に押しつぶされて、切なく変わっていく
これは、何かに似ている、と思い
しばらく考えていて、やっと思いついた
チャップリンの映画だ
特に、「キッド」と「街の灯」を見た時の
最後に残る、切ない後味が
よく似ている
残念なことに、ドラマは次回で最終回だ
この結果が、どうなることか
知りたくて知りたくて、文庫になっていた
原作を買い込み
1日で読んでしまった
だが
結論から先にいうと
「わからない」のだ
原作では、建て替えの話は登場しない
正確に言えば、二人の会話の中で
「もし、建て替えになったらどうするか」
という話題は出てくる
だが、そこまでなのだ
具体的な案は、一切ない
ということは
次の日曜日の10時になるまで
二人の運命は、わからないということだ
これは、実に楽しみだ
楽しみなような
ドラマが終わってしまうのが
寂しいような
早く見たいような、その日が来てほしくないような
なんとも矛盾した
だが、楽しい時間を過ごしている
ちなみに、原作では
文庫になっているパート1の続編も
出ているらしい
だが、この「続編」でも
建て替えの話は出ていないので
ドラマの最終回がどうなるのかは
まったくもって、予想がつかないのだそうだ
できれば、なんとかドラマのほうも
続編が作れるようなエンディングにしてもらいたいと
思っている
今後の楽しみがまた一つ増えたら
実にありがたい
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