2024年3月16日土曜日

★憧れられるシニアになる  ③ グチは有料と心得よ

 当たり前のことだが

生きていて、毎日ハッピーなことばかりではない

こんなはずではなかったと

人生自体に、苦い失望を感じることもあるだろうし

働いていれば、上司、同僚など

人間関係の不愉快さは、どうしてもついてまわる

家庭は家庭で

「嫁姑問題」「板挟みの夫問題」

「独立した子供が家に寄り付かない問題」などは

橋田寿賀子が何度もドラマに書いたように

解決できない、永遠の課題だ


やりきれない思いを、誰かに聞いてもらおうという

気持ちは十分にわかる

だが、これをやれば確実に嫌われる

そもそも考えてみて欲しい

若いころに、高齢者の

「あそこが痛い、ここが痛い」という体調不良の愚痴を

聞かされたことはなかっただろうか

もしあれば、どんな気持ちがしただろうか

しかも、こうした愚痴は、一年たとうと二年たとうと

同じ内容のことが多い

正直、私の若いころを振り返ってみる手

「同じ話を何度も何度も、長々と」と

聴いてはいたが、内心はウンザリしていたのを思い出す


もし、私がこれをやれば

相手を同じようにウンザリさせるのは

まず、間違いあるまい


友達に話すにしても

友達もあまり真面目には聞いてくれないだろう

適当に聞き流されて

それが不満で、愚痴のタネが増えてしまった、と

笑えない笑い話のようなことを

話していた同僚もいたくらいだ


私か思うに

他人の愚痴を聞かされるなど

ゴミ箱代わりにされているようなもので

大事な友達に対して、するようなことではなかろう


とはいえ

心の中にずっとしまっておくのも

かなり精神衛生に悪そうだ

「物言わぬは腹ふくるるわざ」と、昔から言うではないか


なので

私はもっぱら、資本主義に頼ることにしている

つまり、現代のような資本主義社会では

ある程度のことは、金銭で解決できる

こうした愚痴を、いわば有料で聞いてくれる

サービスも、きちんと存在する


一番手近なのは、小料理屋や一杯飲み屋だろう

こうした店は、純粋に酒や肴だけを

楽しみに行くというよりも

女将の顔を見て、話を聞いてもらえるのが楽しみ

という要素も大きいと思う

それで、機嫌よくなれるのなら、悪くは無かろうとは思うが

あいにくと、私はソバ―キュリアス

飲めないわけではないが、酒は飲まないライフスタイルだし

何と言っても、値段がはるうえに

客は自分一人ではないから、女将を独占するわけにもいかない

なんとなく消化不良で

ついつい、何度も通ってしまいがちになる


30分3千円から4千円で

みっちりと聞いてくれるところもある

これは、少し敷居が高いかもしれない

カウンセリングである

カウンセリングといっても、精神科ばかりで

やっているわけではない

臨床心理学の学部のある大学なら

たいていのところで実施している

大学院生の実習を兼ねているらしく

料金もリーズナブルで

病気ではないので、薬も出ない

30分間、みっちりと、これ以上ないほど誠実に聞いてくれて

たとえ、金銭の話をしようと

外に情報が洩れる心配は一切無し

明朗会計で、悪くはない選択肢なのだが

カウンセリングなので、歯医者の治療のように

「次回の予約」を入れていく

これが、なんとなく億劫だったりする

また、大学がやっているので、平日しか実施が無かったりするので

少し通いづらいかもしれない


私がもっぱら愛用しているのは

実は、占いである

通勤経路の途中に、洒落た酒場のような雰囲気の

占いハウスがある

20分で3000円、常連客には1000円の割引がつくので

私は月に一度、2000円で利用している

その月の一番腹立たしいこと、イライラすることを

何日がかりで、大体10分くらいで表現できるようにまとめていく

占い師に、最初の10分で愚痴を全部吐きだし

残りの10分で、アドバイスをもらう

さすがにプロだけあって、聞き上手なうえに

アドバイスの言葉も選んでくれる

占いを妄信しているわけではないが

なるほどなぁ、と得心の行くアドバイスを

受け入れやすい言葉で伝えてくれるのは

かなりありがたい

愚痴が外に漏れる可能性が無いのも、非常に安心できる

だが、一番良い点を挙げるとすれば

占いの結果、という形で

グチりたくなるような不愉快な生活を改善して

より良い生活をするにはどうすれば良いかという

アドバイスをもらえることだ


美輪明宏曰く

やさしく、暖かく、美しい話をする人は

童話の、話すたびに口から花や宝石があふれ出る

姫君のよう

愚痴や、悪口や、イヤミを話す人は

口から、ヒキガエルや、クモや、蛇を吐きだす魔女のよう

どちらが好かれるか

考えるまでもないでしょう、とのことだが

まさにその通り

姫君だか、王族だかになるための

設備投資はケチらず

いつも、明るく、穏やかで、前向きなことだけを話す

洒脱なシニアで居たいものだと思っている




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