2024年9月10日火曜日

戦慄の年金プラン・小泉進次郎案では生きていけなくなる

 Xのトレンドワードに

「戦慄の年金プラン」とあり

また、大げさな、と思いつつ

なかみを見て、唖然とすると同時に

心底、身震いがしてきた

これでは、なんの誇張も無く

暴動を起こしてくれと言っているようなものではないか


簡単に内容をまとめると

これは、自民党総裁選でトップを走っている

小泉進次郎の出した年金改革案

非常に早い話が

年金の給付を、現在の65歳から

何と、10年先延ばしして

75歳からにする、という案

本人は、「80歳からでもいい」と

言っているそうだ


ちなみに、「戦慄の年金プラン」と名付けたのは

日刊ゲンダイ

さすがジャーナリスト

上手いキャッチコピーをつける、と

感心している場合ではない


私はこの案は絶対に反対だ

単に、自分がもらえなくなるからではない

……もっとも、私個人としては

  これでは話が違う

  強制的に取り上げた保険料を全額、耳をそろえて返してほしい

  その額で、民間の保険会社と契約して

  もっと上手に運営するから、と

  言いたいところではあるが……

この案は、完全に片手落ちだからだ


老齢年金は、現段階ではシニアの最大の収入源だ

特に、定年延長で65歳まで働いたあと

小さな仕事を見つけ

趣味と実益を兼ねて、小遣い稼ぎ

それに、あまり多くはないが年金と

退職金を合わせて

自分の老後、施設入居や、介護費用まで

なんとかまかなっていこう、というのが

現在のシニアの資金計画の

アウトラインのようなものだ


これが大きく崩れる

65歳から75歳まで

一切収入がなくなる時期が

10年発生してくるのだ


本来、定年延長と

年金の開始時期が遅くなるのは

車の両輪で

両方がそろって初めて実施しなくては

年金受給者の生活がガタガタになる

だが、現在は75歳までの定年延長など

夢のまた夢

65歳でも、いい方だ

65歳になれば、確実に職場からは放り出される


65歳から75歳

年金をもらえるまで10年分の

生活をまかなう貯金がなかったら?

路頭に迷うしかない

もし、10年間を生き延びたとしても

この時期に貯金を使い果たして

80歳くらいで老後破産したらどうなるか

これも、単なる時間の問題で

結局は、同じ結論

施設の費用が払えなければ

施設も追い出され、行き場をなくして

路頭に迷うしかない


たとえ、幸運にも再就職の口が見つかったとしても

最低賃金ギリギリだろう

それに、70歳を過ぎれば

体のあちこちに不調が出たり

疲れやすくなったりで

毎日8時間、肉体労働はできないだろう

月額賃金は、生活保護より低い額になりそうだ


しかも、これは実にラッキーな

ごく一部のシニアだけの話だ

というのも

都会の真ん中に住んでいて

銀の匙を加えて生まれてきた

二世政治家には、思いもつかないことだろうが

日本には、「地方都市」というものがたくさんあるのだ

しかも

地方都市では、東京都内と比べて

バスや電車という公共交通機関が

あまり発達していないところが多い

つまり

自家用車が無いと、通勤が難しいところが多いのだ


75歳なら

免許返納した方がいい、と言われる年齢に

完全に引っ掛かるのに

免許がなくては、仕事に行かれなかったら

どうやって、収入を得ろというのだ


職種の問題もある

タクシードライバーや宅配ドライバーに限らず

不動産の営業など、車を使う仕事はたくさんある

こうした仕事についている人は

免許を返納したら、仕事ができない

現役時代、こうした仕事をしていた人は

完全に失業、無職、収入ゼロの憂き目をみるが

かといって、70からの転職は

相当厳しいだろう

こうした人達への保障が、全くない


もっとひどいのは

認知症のことを、全く考えていないことだ

認知症の発症率は20%だ

つまり、20%の人が、働きたくても働けない

10年分の収入がゼロになるのに

介護費用だけは払わざるを得ない

つまり、一方的に

金銭が出ていくばかりになるのだ


これでは、本人も苦しいし

もっと苦しいのは、親の介費用を

払わざるを得ない、子供たちの世代だと思う


親が70歳で認知症を発症し

親自身の生活と介護のために、親の貯金を使い果たしたら

今度は、子供世代が

その額を支払わざるを得ない


70代の子供、と言えば、50代くらいだろう

多くは、まだ住宅ローンが残っている世代だ

子供の教育資金も、まだ必要という家庭も

かなりあることだろう

この世代は、自分たちの老後資金も

用意しなくてはいけないというのに

さらに、親の介護費用まで払わなくてはいけなくなる

これでは、50代の子供世代の経済状況が

ガタガタになってしまう


更に

年金支給が75歳になるというなら

せめて、自己防衛に、貯金に励まざるを得ない

夏がこれだけ暑くなると

クーラー代だけは、払わざるを得ないので

それ以外の、衣服、娯楽、旅行、新聞、雑誌、本

まだある、シニアが良く行く、映画、芝居、カラオケ、趣味の教室

家庭を彩る、インテリア、花、外食、交際費

こうした、「生活に必要ないもの」は

切り詰めるだけ、切り詰めないと生きていけなくなる

今でさえ業績が冷え込んでいる

新聞社や、町の書店は

一体いくつ、つぶれることだろう


現段階でも、

「60代以降の貯蓄率が高すぎる

 この世代が消費に回さないから

 経済の活性化が進まない」

と言われているのに

これをますます増進してしまえば

景気はますます悪化するだろう


小泉のお坊ちゃまは、ここまで考えて

年金改革案を出しているのだろうか

私は、ファイナンシャルプランナーの試験に

落ちたばかりのおバカなのだが

このおバカにも考え付くような

ごく単純な理屈も考え付かないなら

確かに、どこかの記者が言う通り

「知的レベルが低い」

要は、「おバカの上をいく、スーパーおバカ」と

言われても仕方がないように思う


このプランを

本当に実行しようものなら

文字通りに、各地で暴動が起きると思う

というのも

生きていても、どうせ病院にもかかれず

資金不足で野垂れ死にするくらいなら、と

考えるタイプの人は少なくないだろう


それに、ここだけの話

刑務所に入れば、三食つく上に冷暖房は完備

病院が併設されていて、糖尿病や高血圧の

治療をきっちりしてもらえる

刑務作業はあるが、作業をすればわずかながらに

給料も貰えるし

美容師の資格を取ることもできる

つまり

シャバで文字通りの文無し生活をするのと

自由はないが、生活保障あり、冷暖房完備

病院がついている刑務所生活比べれば

刑務所の方が楽、と思うシニアが出てきても

少しもおかしくはないのだ


実をいうと、この種の、貧困を逃れるために

あえて刑務所生活を選ぶタイプの人は

20年前から一定数いた

自分で生活場所として刑務所を選んでいるので

矯正は不可能、というより、

最初からその気はないグループだ

「高齢頻回受刑者」という、言葉まである

刑事政策上の問題点ともなってはいたが

今までは、まだ限られた人だけだった

収入がゼロ、となってくると

少しずつ、増えてくるのではないかと予想している


それにしても、自民党には

ファイナンシャルプランナーは

ただの1人もいないのだろうか

ほんの数人で良いので

ブレーンに雇ってはどうかと

他人事ながら、深く心配してしまう

あと、新次郎坊ちゃま、もう少しだけ

お勉強をなさった方が、いいと思いますよ






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